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日本キリスト教団王子教会 ojichurch.exblog.jp

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2011年 08月 31日 ( 2 )

「人間は自己の力量に慢じて」

《あなたがたが“霊”を受けたのは律法を行ったからですか。それとも〈信〉について聞いたからですか》(ガラテヤの信徒への手紙3章2節・一部私訳)
★漱石の『吾輩は猫である』にこんな台詞があります。「吾輩は人間と同居して彼等を観察すればするほど、彼等は我儘なものだと断言せざるを得ないようになった。……元来人間というものは自己の力量に慢じてみんな増長している。少し人間より強いものが出てきていじめてやらなくてはこの先どこまで増長するか分からない」。
★『猫』が刊行されてから今年でちょうど百年です。百年後の今、猫に言うその通りになっていると言えないでしょうか。猫が表しているのは人間の周囲にある自然です。人間は自然から「自己の力量に慢じて増長しているのではないか」と問いかけられているのでしょう。
★パウロは繰り返し〈霊〉について語ります。〈霊〉を受けるとは、心揺すぶられる経験、心を揺さぶられ、ああ、自分も心を持って、魂を持って生きていたのだと意識させられる。そういう経験です。イエスという人、十字架に掛けられて殺されるまで人々への愛を貫いた人と出会って、そういう経験をした。この経験を大事にしていこう。それがパウロの説く「信仰」というものなのです。
★こうしてパウロは、イエスとの出会いを通じて自然からの問いかけ、いのちからの問いかけを、自分自身の体そのものによって、魂そのものによって、いのちそのものによって受け止めていったのです。律法の掟とか割礼とかいった「しるし」「制度」によってでも、また「クリスチャン」という「地位」によってでもなしに。そしてガラテヤの教会の人々に改めて呼びかけます。もう一度、あの心揺さぶられる経験、イエスと出会い、自分も一人の人間として、魂を持って生きている者だったのだと気づかされるあの場所に帰ろうじゃないかと。
by oji-church | 2011-08-31 14:27 | 牧師からのメッセ-ジ
「66年と46億年」

★「原初の地球は放射能で満ち満ちていたといっても過言ではない。ウラン-238も現在量のちょうど二倍あったはずである。私たちが今日あるのも、四六億年という地球の歴史の過程で、過剰な有害放射能が死に絶え、生命の条件が整ったということにも大いによっているという事実は、心に留めておくべきことである。」(『プルトニウムの恐怖』高木仁三郎より)
★戦争後66年目の8月となりました。しかし今年は、あの大震災・津波そして原発の事故によって、もっともっと巨大な歴史=時間の中に生きている自分を考えさせられる夏ともなりました。
★46億年の地球の歴史を一週間に縮め、月曜日の午前0時に地球が誕生したとすると、人類が現れるのは翌日曜日の夜中の23時57分になるそうです。人類の歴史はわずか3分。さらにその中のホンの刹那にすぎない20世紀以後の歴史の中で、わたしたちは地球が46億年をかけて創り出してきたものを、どれだけ破壊したことでしょう。
★いま個人的に日本の近現代史に関する本を重ねて読む中で、なぜ日本人はあの戦争にのめり込んでいったのか考えさせられています。それは、民主主義をないがしろにした結果ではないかと。アジアへの蔑視・欧米への脅威に踊って冷静な判断を欠いた指導者によって戦争は引き起こされ、国の内外であまりにも多くの生命を奪う結果となりました。その指導者に自分たちの命運を預けてしまった国民の責任もあります。
★『せいめいのれきし』(岩波書店)という絵本の最後にこんな言葉があります。「さあ、このあとは、あなたがたのおはなしです。その主人公は、あなたがたです。ぶたいのよういは、できました、時は、いま。場所は、あなたのいるところ。いますぎていく一秒一秒が、はてしない時のくさりの、新しいわです」。
by oji-church | 2011-08-31 14:26 | 牧師からのメッセ-ジ