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日本キリスト教団王子教会 ojichurch.exblog.jp

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by oji-church
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6月27日の週報コラム「ひだり手」

「『慰霊』はなされたか」

《慰めよ、わが民を慰めよとあなたたちの神は言われる》(イザヤ書40章1節)

★6月23日は沖縄慰霊の日でした。沖縄の人々は8月15日とは別に沖縄独自の「慰霊の日」を掲げていることの重みを感じます。
★昨年、沖縄返還に際して核密約(有事の際には、沖縄に核兵器を持ち込むことを認める密約)があったことを、ようやく政府が認めました。これに関わった政治家は多く口をつぐんだきりです。しかし密約には裏の裏があり、当時米国は、沖縄返還後も基地を自由に使用することを日本政府に認めさせるため、敢えて密約を行い、持ち込んだ核兵器の撤去を交渉カードに用いる作戦だったのです。
★核密約は過去の事柄ではなく、沖縄の米軍基地が撤去されないその土台となって現在も生きているのです。沖縄を覆う米軍基地は1945年6月23日の沖縄での日本軍の組織的戦闘の終結後、米軍によって「銃剣とブルドーザー」によって沖縄の人々から暴力的に取り上げられたものです。日本政府は沖縄返還と引き替えにこの暴力を、現在に至るまで黙認してきたのです。返還の功労者として佐藤栄作元首相はノーベル平和賞を受賞しましたが、10万人以上に上る、沖縄戦での沖縄出身の犠牲者の霊は、65年後の今、果たして慰められているでしょうか。
★佐藤元首相の「密使」として米国との交渉に当たった政治学者若泉敬氏は、1992年に交渉の裏にあった米国の意図を知り、秘密交渉の経緯を暴露する本を書き、しかし政府やメディアから黙殺され、繰り返し沖縄に鎮魂の旅をした果てに「結果責任」を取ると語って自死されました。「霊を慰める」ということの中から、過去の戦争の犠牲者に対して、現在のわたしたちが「責任」を持つことを考えたいと思います。
by oji-church | 2010-07-01 09:23 | 牧師からのメッセ-ジ