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日本キリスト教団王子教会 ojichurch.exblog.jp

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by oji-church
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3月15日の週報コラム「ひだり手」

「『姦通の女』を読み返してみました(Ⅲ)」

★(承前)怒りと悔しさに打ち震え、「罪ある男」であるこのわたしに石を投げろと、沈黙の内に訴えるイエス様の気迫に押されて、年長者から、一人また一人と立ち去って最後にイエスだけが残り、真ん中にあの女性が残った。イエスは身を起こして彼女に言います。「婦人よ、彼らはどこにいるのか。誰もあなたを罪としなかったのか」。女性は答えた。「主よ、誰も」。するとイエスは言った。「わたしもあなたを罪に定めない」。
★イエスは「罪を犯したことのない者が、彼女に石を投げなさい」と言い、そして最後に「わたしもあなたを罪に定めない」「わたしもあなたに石を投げない」と言うわけです。つまりイエスは「自分も『罪を犯したことがない』などとはいえない人間なのだ」と、暗黙の内に彼女に告白しているのです。実際にそう思っていたからこそ、イエスは律法学者やファリサイ派の人々の前に、この女性と共に地面にしゃがみ込んで「わたしにも石を投げろ」と訴えたのですから。
★この場面は古い写本では省かれていました。その理由はここにあります。この場面は、あまりにも大胆にイエスが自分の罪を告白しているように読めるのです。それは過激過ぎる。しかしそのような大胆さを持って、この一人の女性と生死を共にしようとされたイエス様の熱く激しい面影は、決して打ち消すことができなかったのでしょう。ヨハネ福音書が書かれてからおよそ400年を経て、再びここに載せられるようになったのです。ただし最後に「これからは、もう罪を犯してはならない」という一言を付け加えて。これは、後の時代に付け加えられた言葉です。イエスは彼女が「罪を犯した」などとは思っていなかった。ただひたすらに大胆に自分自身の罪を思い、彼女と生死を共にしようとしたのです。
by oji-church | 2009-03-21 12:19 | 牧師からのメッセ-ジ