日本キリスト教団王子教会 ojichurch.exblog.jp

礼拝予定などをお知らせします。まだまだひよっこのブログですが、コメントを残していただけるとうれしいです。


by oji-church
プロフィールを見る
画像一覧
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

5月18日の週報コラム「ひだり手」

「文明の十字路(?)に立って」(2)

★現在のトルコの西側地域には、キリスト教以前にもペルシアの歴史と伝統があり、それ以前には、そもそもの文明の発祥であるメソポタミア文明の歴史と伝統がありました。このメソポタミア文明時代やペルシア時代の伝統を引いているのが、わたしたちが王子教会で、「難民」として出会っているクルドの人たちなのです。
★イスタンブルのホテルでの夜、何とはなしにテレビのニュース番組を見ていました。もちろんトルコ語ですので何を言っているのか分かりません。けれど、ニュース番組が始まって間もなく、戦闘機が爆音を挙げて出撃し、爆弾が落とされ、爆発が起こり、といった映像がしきりに流されました。そしてニュースキャスターの声は、しきりに「…テロリスト…テロリスト…」と繰り返しています。トルコ軍によるクルドのゲリラ組織の掃討作戦の模様を伝えるニュースだと分かりました。トルコでは「クルド人」という民族は存在しないということが公式見解となっているそうです。ですからニュースのキャスターは「クルド人」と呼ぶ代わりに「テロリスト」と呼ぶのです。クルド人の側から見れば、生まれがクルド人であれば、何の落ち度が無くても「テロリスト」という烙印を押されてしまうということです。クルドの人たちの歴史や文化が塗りつぶされてしまっている様子が、かすかに伝わってきました。
★トルコは、しばしば「東西文明の十字路」と呼ばれますが、あちこちからの交通が自由に行き交うはずの「十字路」とは、にわかに呼びがたい気もしてきました。むしろ、十字路を強引に「一方通行路」にしてしまい、他の交通を遮断してしまう、というのが、人間がしばしば歴史の中で行ってきたことかもしれません。クルドの人たちは、いわばその、強引に「一方通行路」にされてしまった「十字路」の真ん中、車がビュンビュンとスピードを出して走っていく真ん中に取り残されてしまっている状況なのかもしれません。車にはねられたとしても、この「十字路」には歩いている人間など「存在しない」ことになっているのです。(まだつづく)
by oji-church | 2008-05-23 17:46 | 牧師からのメッセ-ジ