日本キリスト教団王子教会 ojichurch.exblog.jp

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6月28日の週報コラム「ひだり手」

共感―人間のバランスを保つもの

★今、かつての戦争から七十年を経て、あの戦時下と同じように権力を押し立て、戦争へと至る道を危惧する多くの人々の声にも耳を傾けず、国の暴走を食い止める憲法の縛りも無視して、日本の国は再び、自由に戦争という横暴を揮える国へと傾いていこうとしています。人間の文明が行く所まで行き着き、地球環境を破壊し、資源の争奪戦が始まっています。そういうなかで、他を押しのけてでも自分の生き残りを図ろうとする競争が国々の間で行われているのがいまの世界ではないかと思います。人間の心の中には誰しも、人のことよりも自分のことを優先し、人を押しのけてでも自分の自由に振る舞いたいという欲望が渦巻いています。誰しもが持っているこの欲望ですが、そればかりを優先していこうとする時、人間はバランスを失って、自分自身の首を絞め、自分自身を滅びへと追いやることになっていくでしょう。
★自分を最優先しようとする欲望に対して、それを押しとどめる働きをするのは「共感」という気持ちです。とりわけ、人の苦しみや悲しみや痛みを自分自身の苦しみ、痛み、悲しみとして思い巡らし、受けとめようとする人間の気持ちこそが、自分を優先しようとする欲望を押しとどめて、人間にバランスを保たせ、自分も人も命を長らえる方向へと人を導くものです。いま、わたしたちの生きている世界、社会は、この「共感」する気持ちを圧倒的に失いつつある世界、社会ではないかと思います。弱い立場にある人の痛みや苦しみや悲しみに共感を寄せようとする人は、その人自身が「弱い人間」と見なされ、役に立たない、不必要な人間のように見なされる社会になっています。でも、聖書には「弱く見える部分がかえって必要なのです」(コリントの信徒への手紙Ⅰ12章22節9という言葉が響いています。まさしく、「弱く見える部分」こそが人の心に共感する気持ちを呼び起こし、それによって人間のバランスを保ち、人の命を長らえさせるのです。
by oji-church | 2015-07-02 10:06 | 牧師からのメッセ-ジ