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日本キリスト教団王子教会 ojichurch.exblog.jp

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6月15日の週報コラム「ひだり手」

福島の苦しみ

★6月9日から11日にかけて、会津若松市の若松栄町教会を会場に開かれた「教団部落解放全国活動者会議」に出席してきました。主題は「『原発』という差別――フクシマの声に聞く」というものです。3日間にわたって、多くの人の言葉に耳を傾けました。「会津放射能情報センター」の取り組みをしておられる片岡輝美さん。強制避難者の方。自主避難者の方。農業従事者の方。国に対して子どもを疎開させることを求める訴訟を起こしている福島県の方々の弁護人。定期的に無料で子どもの健康相談をしておられる医師の方など。原発の事故から3年が経ってもなお、原発の被害は何一つ終わってはおらず、むしろ時の経過と共に県外の人の意識が薄れていくの中、福島の人たちは孤立感を深めていることを強く思わされました。
★避難地域への帰還が進められていますが、本来一般人の放射線の許容値であった年間1ミリシーベルトから、20倍の許容値20ミリシーベルトに引き上げられる中で、福島の人々は暮らすことを強いられています(これはレントゲン室などの「放射線管理区域」の基準を超える値です。人は誰も子どもをレントゲン室の中で育てようとは思わないでしょう)。また、家族が引き離されて暮らさざるをえない状況の中、県外の人の無理解から、差別的な言葉を投げかけられ、心も生活も深く傷つけられておられます。そんな中、甲状腺ガンを発症した子どもが90人に上っていることが伝えられています。けれども国は、原発事故と因果関係はないとうそぶいています。親は「なぜ自分の子が甲状腺ガンに?」という問いをどこにぶつければよいのでしょうか。
★東京に戻ってくれば、もう原発の事故など無かったかのように、以前の明るさの中でわたしたちは暮らしていることを知らされます。「わたしたちに何を求めますか?」という質問者の問いに、発言された方は「この状況をできるだけ多くの人に伝えてほしい」と訴えられました。東京の電気を作るために稼働していた原発の事故によって福島の人々に苦しみがもたらされています。このことを忘れずに、よく知るように努め、原発の再稼働を許さない声を挙げていくことが、東京に暮らすわたしたちの取るべき責任であるでしょう。
by oji-church | 2014-06-18 10:28 | 牧師からのメッセ-ジ