12月23日の週報コラム「ひだり手」
《主なるあなたの神に、しるしを求めよ。深く陰府の方に、あるいは高く天の方に。……見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み、その名をインマヌエルと呼ぶ。」
(イザヤ書7章11~14節)
★今わたしたちは、原子力・核の問題や地球温暖化をはじめとする環境の問題に直面しています。その影響をもっとも被るのはわたしたちではなく、わたしたちの子どもや孫やそのまた先の世代の人たちです。これは実はわたしたちがこれまで経験したことのないまったく新しい課題です。民主主義は、今ここに生きている人の意見を大切にするという仕組みであって、まだ生まれていない人たちの意見は考慮の対象とされません。しかし今わたしたちが直面しているのは、今を生きているわたしたちよりも、これから生まれてくる人たちにこそ、大きく影響を及ぼす事柄です。それは、生まれたばかりの赤ちゃんと同じく、自分の声と言葉を今ここで挙げられない人たちです。わたしたちはまだ見ぬ子らのことを覚えながら、今を生きることを求められています。
★今クリスマスを待ち望む時にあって、わたしたちは一人の赤ちゃんの誕生に向かって心と体とを差し向けて今の時を過ごしています。それはまだ見ぬ子らの運命に向かって、自分の心を向けるということです。この時、わたしたちが「深く陰府の方に」向かってわたしたちが頼りとし、従うものを見いだすのか、それともそうではなく、「高く天の方に」、わたしたち誰もを照らし、誰もがその下で生きている空に向かって、つまりは今ここで生きている人々と共に生きることに向かって、また、これから生まれてくる人たちと共に生きることに向かって、心をつないでいくのか、深く思い巡らす者でありたいと願います。