3月11日の週報コラム「ひだり手」
★「あの日」から1年が経ちました。大地の揺れを受けて心も揺れに揺れた1年だったように思います。その揺れはいまも続いています。
★被災地と東京の間を繰り返し行き来する中で、その環境の落差に気持ちが落ち込み行き惑う日々も経験しました。被災地では外部の情報はほとんど入ってこず、目の前の人の言葉にひたすら耳を傾け、目の前の事柄にひたすら取り組み、夜が来れば眠る生活を送りました。
★いままた東京で「情報の洪水」にさらされながら、そのうちのあるものを捨て、あるものは拾い、パソコンを相手に文章を書いたり、書類をまとめる日々を送っています。しかしこれが〈ほんとう〉の〈生活〉なのか、考え込みます。
★ある方の文章からマザーテレサのこんな言葉を教えられました。「私は一般大衆を(自分の果たすべき)責任の対象と見なしたことは一度もありません。私は個人を相手にします。私は同時に一人しか愛せません。同時に一人にしか食べさせることはできないのです。対象はつねにひとりなのです」。
★被災地では微力な「ひとり」として、「出会わされたひとりと向き合う」「与えられたひとつのことに全力で取り組む」ことを教えられました。「情報の洪水」の中、「ひとり」と出会う「ひとり」であることを忘れないようにしたいと思います。