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日本キリスト教団王子教会 ojichurch.exblog.jp

礼拝予定などをお知らせします。まだまだひよっこのブログですが、コメントを残していただけるとうれしいです。


by oji-church
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6月12日の週報コラム「ひだり手」

「お風呂屋さんという福音」

★釜石の津波に襲われた町の中で一軒、お風呂屋さんが営業していました。そのお風呂屋さんは津波に襲われたにもかかわらず、四月に入る前から店を開いていました。しかも無料で週一日の定休日を除く毎日。周囲一帯ではまだ電気もガスも復旧していない中、今考えても、どうやって店に電気を点しお湯を沸かしていたのか不思議ですが、とにかくその心意気に感心しました。
★中はまさに芋洗いの様相です。でもお風呂に入ればみんな裸。ボランティアも被災者もありません。被災された人たちはボランティアに助けられながらも、別の面ではボランティアが近くにいることによって、自分たちがボランティアに助けられねばならない「弱い存在」であることを、強く意識させられるのではないでしょうか。でも裸になってお風呂に入れば、そこにはもう被災者とかボランティアとかいう区別は無くなってしまいます。ただ皆一様にほっとした表情をしていました。まさに裸のつきあいです。お風呂の力というのは偉大だなあと思いました。そしてまた一律無料というのも、誰もが分け隔て無く裸になれることに一役買っていたとも思います。そういう意味でも、本当にお風呂屋さんの心意気には感謝しなければならないと思いました。
★何も線を引かないただ裸の姿のうちに、わたしたちは神様の祝福を受け、必要なものは十分に与えられている。そのことを喜び、感謝すること。それがキリスト教の本来の礼拝の始まりだったのではないかと思います。
★あの釜石のお風呂屋さんで、そんな福音の真理に触れた気がしています。もしかしたら、あのお風呂屋さんのどこかにイエス様も、傷ついた体を洗っていたかもしれません。与えられたこの裸の命よりも前には、何も線を引かない。いつもそこから出発して感謝して人と出会い、触れ合っていく。そんな交わりを形作ることができたらと願うものです。
by oji-church | 2011-06-15 12:48 | 牧師からのメッセ-ジ