日本キリスト教団王子教会 ojichurch.exblog.jp

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8月22日の週報コラム「ひだり手」

「『人間』を引き裂く戦争・植民地主義」

「彼は昼も夜も墓場や山で叫んだり、石で自分を打ちたたいたりしていた。イエスを遠くから見ると、走り寄ってひれ伏し、大声で叫んだ。「いと高き神の子イエス、かまわないでくれ。後生だから、苦しめないでほしい。」イエスが、「汚れた霊、この人から出て行け」と言われたからである。そこで、イエスが、「名は何というのか」とお尋ねになると、「名はレギオン。大勢だから」と言った。そして、自分たちをこの地方から追い出さないようにと、イエスにしきりに願った。 」(マルコ5:5~10)。

★二十世紀の戦争は、大国の植民地主義のぶつかり合いの中で引き起こされてきました。植民地主義は、力を持った国が他国を侵略しその資源を略奪することをよしとする考え方です。この植民地主義の中で人間は支配する「優れた」人間と支配される「劣った」人間とに分けられました。日本人の多くは自らを支配する「優れた」人間と思いなし、やがて支配される側の人々の命や生活に注ぐまなざしを失っていきました。その戦争から65年を経たいま、そうした支配する「優れた」人間、支配される「劣った」人間という分け方から、果たしてわたしたちは解放されているでしょうか。
★「レギオン」(ローマの軍団の呼び名)を名乗るこの男性は、明らかに過去の戦争・植民地主義の犠牲者です。しかし人々は彼を墓場に遠ざけて鎖や足枷で縛り付け、見えない・聞こえない・存在しないものにしようとしました。支配される苦悩を自分の内側に押し殺した結果、彼はその刃を自分自身に向け、石で自分自身を打ちたたくようになったのでしょう。彼は生身の人間としての自分を押し殺して、支配する側の力に組み込まれた道具のように自分を見なすようになりました。それで名を問われると「レギオン。大勢だから」と支配する側の力そのものの名を名乗ったのです。(つづく)
by oji-church | 2010-09-10 14:26 | 牧師からのメッセ-ジ