日本キリスト教団王子教会 ojichurch.exblog.jp

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5月10日の週報コラム「ひだり手」

 「やさしい感情」

★「人間は、貧しさや苦しさやさびしさに直面したとき、とても暗くなったり、意地悪になることがあります。でも、人間は、そこからやさしい感情をくみだしてくることもできるのです。この世の中で、もっとも深いどん底といえる場所で生きていたお女郎さんは、わたしに、この感情が人間にとってどんなに大切で、また強いものであるかを教えてくれたと言えます。このやさしい感情は、どんな人も持っているものです。しかしまた、この感情は、もっともつらい人生をしっかりと生きぬいている人ほど、豊かに持っていると言えます。それは悲しみを乗り越え、人と人の裂け目を乗り越えていく力であるともいえるのです」。(高史明(コ・サミョン)『生きることの意味』ちくま文庫より)
★教会で語られる言葉が、口先だけの「観念」になってしまわないように、どうしたらいいのか、ということを最近つとに考えさせられます。その中で、聖書の中で出会うイエス様の周囲の状況は、わたしたちの想像以上に、具体的な貧しさの苦悩に満ちた場所だったことを意識しながら聖書を読むべきと思うようになりました。
★高史明さんは1932年生まれ。下関の在日朝鮮人の、母のいない父一人、兄弟二人の極貧の家庭で育たれました。その貧しさの中で本当に厳しい試練に数々遭うのですが、そうした経験が、しかしなお情感溢れる、みずみずしい筆致で語られるのです。イエス様がわたしたちに告げようとしているのは、このようなことなのかもしれないと思わされます。
★社会全体が貧困の影に震えているような今の時代、あらためて高さんの言われる「やさしい感情」を振り返る必要があるように思います。わたしは高校生の時に初めて読みました。若い人が自分の出発点とするに充分に足る深みを持った本です。ぜひご一読を。
by oji-church | 2009-05-13 10:23 | 牧師からのメッセ-ジ